この度、水野薫子のジュエリー作品がトリノのアッコルシ・オメッティ装飾美術館(博物館)に常設展示されることになりました。
この作品は2007年に制作した水野にとっては珍しい日本の泉鏡花の「天守物語」「夜叉が池」をテーマとした作品で、かねてからイタリアの美術館への寄贈を希望していたところ、イタリアのキュレーターであるエルマーノ・テデスキ氏の御尽力により、トリノのアッコルシ・オメッティ財団の理事会で検討した結果、美術館の常設展示が決定しました。ジュエリーがアート作品として認められて欧州の美術館で所蔵されることは初めてのことで、日本のジュエリーとして輝かしい第一歩と言えるでしょう。10月23日のレセプションには水野薫子と、カメオ部分を制作したアニエッロ・ペルニーチェ氏も参加の予定です。
装飾美術館はピエトロ・アッコルシ(トリノ、1891年 - 1982年)が残した豊かな遺産から始まり、ジュリオ・オメットによって開館されました。博物館は2つのセクターに分かれた27の部屋から構成されています。最初のセクターでは、18世紀と19世紀の作品、特にバカラのクリスタル、ピエモンテの銀器、マイセンの磁器が展示されています。博物館の2番目のセクターには、骨董品商の好みに合わせて18世紀の洗練された家の雰囲気を再現した家具が数多く展示されています。建物(宮殿)はサヴォイアの宮廷建築家であるカステッラモンテのアメデオによって設計され、ポー川通り周辺の歴史的地域にあります。アルコシは彼の美術品と共に財団にこの宮殿も託しました。
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